【トーク】
−中央競馬に物申す−


ドライヴ失速

 アメリカのブリーダーズカップ(以下BC)に挑んだ藤沢和厩舎のカジノ ドライヴは、果敢にハナに立ったものの、強豪の大きな壁にハネ返されて、 しんがり12着に沈んだ。今年のBCクラシックはアメリカ生まれのイギリス 所属レイヴンズパス(牡3、デットーリ騎乗)が、カーリンをはじめとする 実力馬たちを抑えて優勝した。今回は残念だったカジノドライヴだが、3歳 のうえ、この日がまだ4戦目。チャンスはまたきっと来る。  BCクラシックは1984年創設。アメリカの主要競馬場が持ち回りで開催す るダート10ハロンのチャンピオン決定戦である。今年の賞金総額は500万ドル。 ドバイワールドカップ(以下ドバイWC)の総額600万ドルには及ばないが、 ダート競走の両横綱だ。  アメリカはダート王国である。BCクラシックもドバイWCも他国を圧倒 する強さを示してきた。招待レースのドバイWCには日本からも毎年のよう に挑戦するが、2001年のトゥザヴィクトリー(勝ち馬キャプテンスティーヴ) が惜しい2着以外、あとは散々たる結果を招いている。BCクラシックもタ イキブリザードが2回とパーソナルラッシュが挑んだが、手も足も出なかっ た。  芝に関してはドバイやヨーロッパ、アメリカで互角に戦えるメドは付いて いるが、ダートはかいもくアメリカ勢にかなわないのが実情だった。そこへ カジノドライヴが5月10日、アメリカGIIのピーターパンS(ダート9ハロ ン)を圧勝した。歴史的な一瞬だったわけで、BCクラシックで負けても、 その価値は少しも揺るがない。  カジノドライヴは母も祖母も重賞勝ちで、半姉にラグズトゥリッチズ、半 兄にジャジルという超の字が付く良血馬である。この春は3兄弟でベルモン トS制覇を目指した。アクシデントで夢は戦わずしてついえたが、その挫折 を乗り越えてBCクラシックに挑んだことで、またひとつ大きくなるに違い ない。