【トーク】
−中央競馬に物申す−


風をつかんだ

 NHKマイルカップは1番人気に推されたディープスカイが、物の見事に 馬群から抜け出した。緩めの馬場で上がり33秒9、これはもちろんメンバー 最高の数字だが、見た目の切れは数字以上だった。ファリダットを抑えての 人気には驚かされたが、ファンの見る目は確かだということか。  開業9年目の昆調教師にとっては、これが初のタイトル。00〜07年で通算 123勝を挙げたが、JRA重賞とは無縁だった。ところが今年、ローレルゲレ イロが東京新聞杯を制するや、またたく間に重賞を4つ、その4勝目が今回 のうれしい金星である。風が吹いて、その風に乗ってつかんだといってもよい。  昆調教師の現役時代は通算1121戦92勝。20年近くかかって100勝に満たない のだから、騎手としては恵まれなかった。だが、そういう人が調教師で成功を 収めているのは近年が顕著である。昆調教師もその1人になるのか。今年が飛 躍元年かもしれない。  ディープスカイはダービーに参戦する。1600メートルのNHKマイルカップから ダービーに向かって成功させたのはキングカメハメハの一例だけ。距離の融通 は利いても、両方とも勝ってしまえるほど甘くはない。それを承知で、今年の メンバーなら、また、この上昇力ならと思ってしまうところは否定できない。  今年のクラシックは関東馬の巻き返しが期待されながら、謳歌しようも皐月 賞も関西馬の軍門に下り、オークスもどうやら関西馬の評判が高いようである。 皐月賞が人気で3着のマイネルチャールズの反撃は必至だろうが、別ルートか らの新星、それも今年ブレイクしそうな厩舎の勢いが、至難とされる1600と24 00のタイトルを奪取してしまう可能性も低くない。