【トーク】
−中央競馬に物申す−


夢が現実味帯びる

 36歳の角田晃一騎手が元気だ。かつては日本ダービー(平成13年ジャング ルポケット)をはじめ、ヒシミラクル、ノースフライト、フジキセキなどと コンビを組んだほどで、JRA通算652勝、同重賞も34勝を数えるジョッキー である。その名手が、ここ数年は苦しんだ。  初騎乗は平成元年。この年いきなり43勝で新人最多勝。以後、順調に勝ち 星を伸ばしてきたが、平成15年の20勝から10勝台の不振が続く。師である渡 辺栄調教師の定年引退が大きく響いているのは間違いなく、乗り数が激減。 普通ならこのまま下降線をたどるケースが多いのだが、このベテランは見事 に甦った。  今年はすでに15勝、その中にはマーチS(クワイエットデイ)、函館スプ リントS(アグネスラズベリ)のGs0A02j2D37m2勝がある。JRA重賞を2 勝以上したのは、平成15年の3勝(ヒシミラクルで天皇賞・春と宝塚記念、 スイープトウショウでファンタジーS)以来である。  昨年は18勝、一昨年は10勝にすぎなかったが、今年は30勝ペースを取り戻 している。とりわけ、函館スプリントSでは狭いインコースを物ともせずの 差し切りで、かつての異名「牝馬の角田」を思い起こさせるほどの迫力を伴 ったものだ。  活躍すれば依頼が増え、増えたことによって勝ち星が付いて回るという図 式で、ここ数年とは180度の転換ぶりである。今年からサマーシリーズの優 勝ジョッキーには、暮れのスーパー・ワールド・ジョッキーズ・シリーズに 参加できる特典が付いた。勝ち数上位が出場であれば、角田騎手にとっても、 夢のまた夢の舞台だった。それが夏の活躍次第では、現実味を帯びる話にな ったから、充実の夏になること請け合いだ。