【トーク】
−中央競馬に物申す−


たまげた牝馬

 64年ぶりに牝馬のダービー馬が誕生した。勝ちタイムの2分24秒5は、こ の10年でキングカメハメハ、ディープインパクトの2分23秒3に次ぐものだ から、そのこと自体も立派だが、すさまじいのはラスト3ハロン。ウオッカ自身、 何と33秒0で駆け抜けている。これでは、どんな牡馬だろうと歯が立たない。  1600メートルの数字は、ウオッカやダイワスカーレットは牡馬を凌いでいる。 ハイレベルは承知していても、2400メートルという過酷な条件下で、ああも鮮や かに決めるとは予測できなかった。ほぼ勝てたはずのオークスを使わず、ダ ービー出走に踏み切ったことに納得した時は、あとの祭りというほかなかっ た。  2年前のラインクラフト、シーザリオ、エアメサイアの年も牝馬のレベル は高かった。ラインクラフトが桜花賞とNHKマイルC、シーザリオが日米 のGIといった具合。しかし、今年のそれは格別であろう。  オークス馬ローブデコルテ、NHKマイルC馬ピンクカメオ、古馬ではヴ ィクトリアマイル馬コイウタが海外遠征を視野に入れる。そしてウオッカは、 世界最高峰レースの一つ、凱旋門賞を狙う。このレースにはメイショウサム ソンもエントリーしており、ひょっとすると、ダービー馬2頭出しが実現す るかもしれない。  凱旋門賞は、あのディープインパクト、さかのぼればエルコンドルパサー といった、日本が誇る名馬が夢破れたレースである。今度は牝馬が挑む。凱 旋門賞は4歳以上の牡馬に厳しい斤量で、3歳、それも牝馬となれば斤量差 が大きい。環境などの問題をクリアしてからの期待になるのだが、このたま げた牝馬なら、世界を制する可能性も、決して低くはないと思わせる。