【トーク】
−中央競馬に物申す−


孝子出づ

 21年ぶりに無敗の三冠馬が生まれた。JRA史上2頭目である。皐月賞、 ダービー、菊花賞を制したのは昭和時代のセントライト、シンザン、ミスタ ーシービー、シンボリルドルフ、平成に入ってのナリタブライアンに次いで 6頭目の快挙。そのどれもが凄い馬であったけれど、興奮さめやらぬせいか、 今回はまた特別に感慨深いものがある。  ディープインパクトは450キロにも満たない、現在のサラブレッド、それも 超一流の馬としては珍しいくらいの小型馬である。それだからこそ、あれほ どすさまじい足を繰り出してもつぶれないのだろうが、小さな馬が大型馬を 次々になで切ってしまう姿に、いわくいいがい感情が生じるのかもしれない。  菊花賞デーの10月23日は天候にも恵まれ、京都競馬場には人があふれた。 レコードには及ばなかったものの、13万人を超える入場者にはびっくりさせ られた。そのほとんどが三冠達成を目の当たりにしたい思いだったに相違な い。そして見事、期待に応えたわけだ。推定の上がり3ハロンが33秒3。何と もすさまじいばかり。  菊花賞の売り上げは前年に比べて12.2%伸びた。そこで、面白いのは単勝 式のシェアが5.5%も占めていることだ。土曜日、東京競馬のメイン、富士S の単勝式シェアは2.9%程度で、通常はこんなものだろう。それをここまでハ ネ上げたディープインパクトの存在は大きい。売り上げや人気にかげりが見 える時に出現したスーパースター。まさに孝子出づだ。  この後はジャパンC、もしくは年末の有馬記念かといわれるが、今年で競 走生活が終わるわけではなく、来年は海外へ目を向けることも取りざたされ ている。これだけの馬だから当然で、体調さえ普通に整っていれば、結果は おのずとついてくるだろう。三冠をひとつの通過点とするあたり、体は小さ くても、スケールはとてつもなくデッカイ。