
【トーク】
−中央競馬に物申す−
「その時がきた」
「その時」がいよいよ間近に迫ってきた。1984年以来21年ぶり、ディープ
インパクトが無敗の三冠馬に輝く瞬間がである。昨年12月19日の阪神デビュ
ー。以来、出走のたび、その足に魅了され続けてきた。3000mの距離は未知
であっても、それは全馬にいえることだし、強さの次元が違うから、よほど
のアクシデントにでも遭遇しない限り、歴史的瞬間が現場でなり、画面を通
してなり、目の当たりにできるはずだ。
ディープインパクトの秋緒戦、神戸新聞杯は同レースの売り上げレコード
を更新した。GIなら知らず、トライアルでのレコードは、今の世相を考え
ると、価値の高い数字を弾き出したといえる。集客力、売り上げの両面から
みても、三冠がかかった菊花賞は、たとえ給料日前であったとしても、JR
Aとしては期待したくなるところだろう。
こういってはぜいたくかもしれないが、ディープインパクトを脅かすよう
な存在がいると、もっとよかった。ダービー2着馬が戦線離脱、セントライ
ト記念の勝ち馬は菊花賞に登録さえしなかった。距離適性などを考慮しての
選択だろうが、一生に一度のクラシックなのだから、権利があるのなら、挑
戦してほしかった。それが残念だ。
春の皐月賞、ダービー、蒸し暑い夏に耐えて秋の菊花賞。日本の三冠レー
スは、1シーズンに集中するアメリカのそれとは趣を異にする。どちらがど
うとではなく、この日本独自の三冠路線であるからこそ、みんなで支え、そ
れをもりたてていくべきことだろう。
今年の菊花賞はディープインパクトがいるから救われるが、この名馬を除
くと、夏の台頭馬もいないさみしい最後の一冠になってしまう。秋の番組を
ジャパンカップ中心にする昨今は、あおりを食って菊花賞がつまらなくなり
つつある。輝きを取り戻すためにも、ディープインパクトにスカッと決めて
もらいたい。