
【トーク】
−中央競馬に物申す−
出でよ新星
ディープインパクトが売り上げと入場人員に大きく貢献した。三冠を目指
して秋の第一戦、神戸新聞杯には前年の1.5倍にあたる4万6700人余りが詰
めかけ、売り上げもまた、前年比220%を超える信じがたいような79億6000万
円余りを記録した。神戸新聞杯の売り上げレコードだった。
春のディープインパクトは入場数で貢献したものの、売り上げは皐月賞が
微増、ダービーは微減といったあんばいで、これほどの馬の出現にもかかわ
らず、こと売り上げ面は低調だった。神戸新聞杯は有力馬が分散傾向にあり、
それほどメンバーが揃わないのが常。今年も例外でなかったが、この結果で
秋の中央競馬に光が射し込んだ。
阪神3週目のこの週は武豊騎手が凄かった。土曜日に6連勝(騎乗機会)
を含む7勝、日曜日に5勝で都合12勝。自身(2回)と岡部元騎手の持つ1
節の勝ち星10をあっさり更新した。乗れば勝つという、まさに神がかり的な
快進撃だったから、その騎手が手綱を取るディープインパクトが負ける要素
は1%もなかったといって過言ではない。
シンザンの時のウメノチカラ、ハイセイコーにはタケホープ。それらの時
代には、それぞれライバルがいた。2頭、あるいは3頭で一段とレベルアッ
プを競い、それがファンの目をくぎづけにしたものである。最近ではマヤノ
トップガンとナリタブライアンが壮絶に追い合った阪神大賞典など、いつま
でも脳裏に刻まれる。
今年はディープインパクトが傑出して、そういう勝負にお目にかからない。
一強もいいけれど、ぜいたくをいえば、そのあたりは少しさみしい気がしな
いでもない。先の神戸新聞杯も春と変わりのないメンバーだった。つまり、
新星の出現がない。もう時間はないのだが、すい星のごとく魅力の新星が現
れないものだろうか。それによって、菊花賞がより一層価値のあるレースと
なるのだが。