【トーク】
−中央競馬に物申す−


驚異のハイペース

 武豊騎手が今年も驚異的なハイペースで勝ち星を重ねている。37勝、連対 率4割1分7厘が凄い。昨年のこの時期、つまり2月開催を1週残す時点で は29勝、連対率4割3分5厘だった。昨年も当然のごとく断然だったが、今 年はそれ以上の猛スピードだ。これでは藤田騎手がかつてない勢いで勝ち星 を重ねても、追いつけるものではない。  それにしても、2月競馬が終了していない時点で37もの勝ち星など、記憶 にない。昭和54年3月4日、あの福永洋一騎手が落馬事故に倒れた日、同騎 手は24勝でぶっちぎりの首位だった。この勝ち星に並ぶのに、6月までかか ったことが思い出される。当時としては破格のペースだったが、最近はそれ どころではない。  昭和54年、つまり25年前と現在では事情が全くといっていいほど異なって くる。当時は騎手のフリー化は少なく、厩舎所属の騎手が優先的に騎乗した ものである。その中で福永騎手のひと月12勝ペースには驚かされたが、いく らフリー化したとはいえ、ひと月20勝ペースにはびっくりだ。  JRA競馬で夢の年間200勝を達成した昨年を上回りかねない武豊騎手では あるが、こうまで一方的に勝ち星が片寄りすぎると、競馬そのものの面白さ、 醍醐味が色あせてこないでもない。一極集中化は、何事においてもリスクを 背負う。  3月からは兵庫県競馬から小牧太、赤木騎手がJRA騎手としてスタート する。兵庫県競馬の看板ジョッキーが2人も抜けて、そちらは大変だろうが、 JRAとしては新風を吹き込むという点で歓迎だ。孤軍奮闘の形の藤田騎手、 地方から転身の先輩・安藤騎手もいる。断然の武豊騎手を少しでも慌てさせ るようなレースが続くと、今年の競馬は面白くなる。