
【トーク】
−中央競馬に物申す−
55歳の鉄人
1月25日の中山競馬で岡部幸雄騎手が一昨年12月22日・有馬記念(コイン
トスで3着)以来、およそ400日ぶりに戦列復帰した。その日は7Rのウイン
ラシェーナで4着後、2戦目となった9Rの3歳の特別レースをダンスイン
ザムードで見事、人気に応えた。続く10Rは着外で、3戦1勝だった。
55歳。ケガなく仕事を続けてきた延長線でならともかく、1年以上のブラ
ンク、それも一度や二度でない挫折感を味わいながら、この年で復活は口で
は言い表せないほど困難な道のりであっただろうと推察する。復帰のその日
に、あっさり勝った。まさに鉄人と呼ぶにふさわしい。
その日の岡部騎手は坊主頭だった。その姿に、この日にかける意気込みが
伝わった。例年、岡部騎手は1、2月をオフにあてる。今回の復活は、厳冬
期をあえて選んで、みずからの闘志をさらにかき立てたようにも思われる。
高知競馬に100連敗して話題のハルウララがいる。このハルウララ・フィー
バーはとどまるところを知らず、遂に1冊の本が刊行されるまでになった。
負けても負けても手を抜かずに走り続けることが共感を呼んだとすれば、岡
部騎手の姿勢もまた、大いに共感を呼ぶに違いない。
何が岡部騎手をして、そこまでさせるのだろうか。公営の佐々木竹見さん
もそうだが、体の衰えやら痛みに耐えての騎乗を見ていると力づけられる。
一般社会でいえば定年を間近に控えた年である。その熟年がこんなにも活躍
している。この努力の結晶は、春、桜花が咲くころに形となって表れてほし
いものだ。