競馬評論家の天馬が
  中央競馬を辛口批評。

【トーク】
中央競馬にもの申す



米国では「クロッカー」

 大手一般紙のコラム欄で読んだものであるが、アメリカでは「マン」(男) という用語がなくなろうとしている。「ビジネスマン」は「ビジネスピープル 」、「カメラマン」は「フォトグラファー」と呼ぶ。日本の競馬用語に「トラ ックマン」もあるが、これを読むと改めたい用語になる。大体が日本の造語で 和製英語にすぎない。  関東の予想紙経営者が造った用語である。いかにも欧米から渡来したかと思 わすが、「トラックマン」など、彼地で用いても一向に通じない。アメリカで は「クロッカー」と呼ぶちゃんとした用語がある。調教時計を計(と)る人、 「クロッカー」(時計の人)という意味だが、「クロッカー」は権威も持つ人 だ。  調教師連中も「クロッカー」に時計はもちろん、馬の使うレースなども相談 してくる。日本でも例えば本誌発行の前夜通信社の初代社長、2代目社長は調 教時計をみずから計っていた。その社長周辺に調教師や乗り役が来て、調教時 計や馬の状態など話し合ったものである。アメリカの「クロッカー」はもっと 権威を持つらしい。  近ごろは、女性も調教取材記者に混じる。「トラックマン」とは呼べない。 「クロッカー」なら、男性にも女性にも通じる。この際に競馬用語で「トラッ クマン」を「クロッカー」に改めたいものだ。それと「調教時計を計る」であ って「調教時計を採る」は間違いである。「時計を計る」を「時計を採る」に 言い間違うなど、およそ日本の書き方では通じない。